殺処分ゼロの実情
先日、東京都で「動物の殺処分ゼロを達成」との報道発表がありました。
以前から東京都に限らず、全国的に動物の殺処分が多く問題になっておりました。各自治体がそれぞれ是正に向けた取り組みをしてきた成果もあり(数多くのボランティアの方々も)、その数は年々減少しています。
しかし、東京都の発表した「動物の殺処分ゼロ」は都が計上した数字に過ぎず、本来の意味でのゼロではありません。
- 噛み癖
- 障害
- 病気
こういった特徴のある動物は殺処分されても計上されないためです。
重篤な病気で生き永らえることのできない動物は安楽死という観点から仕方ないかもしれませんが、噛み癖や障害といった飼手が見つかりづらいという点から殺処分してしまうというのは問題があるのではないかと思います。
噛み癖があれば命としてカウントされないのか、障害があれば命としてカウントされないのか。「ゼロ」という発表は評価とともにモヤモヤした気分が残りました。
また、神奈川県ではここ数年「殺処分ゼロ」達成と公表されていますが、ここでも計上方法による誤解があります。
確かに県が運営する施設での殺処分数はゼロのようですが、市が運営している施設ではゼロではありません。しかし、市の施設での殺処分が計上されることなく「神奈川は動物の殺処分ゼロ」との発表を続けています。
各自治体での取り組みは評価しますが、体裁よく計上するのではなく実情をきちんと公表するのが正しいのではないでしょうか。
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また、動物愛護については殺処分とは違う問題も指摘されています。
保護されてから、なかなか飼手が見つからず長期収容されている動物が多数いること。この問題も愛護という観点からいうと、なんとか解決されるといいのですが、難しい問題です。